【コラム第2回】ペンギンはお腹が張らない? IBS(過敏性腸症候群)と「低FODMAP食」|望月内科消化器内科クリニック|静岡市葵区の胃カメラ・大腸カメラ

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【コラム第2回】ペンギンはお腹が張らない? IBS(過敏性腸症候群)と「低FODMAP食」

【コラム第2回】ペンギンはお腹が張らない? IBS(過敏性腸症候群)と「低FODMAP食」|望月内科消化器内科クリニック|静岡市葵区の胃カメラ・大腸カメラ

2026年6月08日

皆さん、こんにちは。望月内科消化器内科クリニック院長の小池弘太です。

さて、初回のコラムでペンギンは おなかのエリート といったお話をさせていただきました。前回させていただいた以外にもペンギンには、私たち人間がうらやましいと思うことがまだまだあります。今回はそんな特徴の中から、IBS(過敏性腸症候群)と 「FODMAP食」 についてお話させていただきたいと思います。

・ペンギンはお腹が張らない? IBS(過敏性腸症候群)と「低FODMAP食」の科学

皆様は「お腹がゴロゴロ鳴る」「ガスが溜まって張る」「急に下痢や便秘を繰り返す」といったお腹の不調を経験したことがありませんか?もちろん急性胃腸炎や大腸がんなどいろいろな疾患が原因で起こることもありますが、器質的異常がなくそういった症状がおこってしまうIBS(過敏性腸症候群)といった病気があります。
さて、当院のロゴマークでおなじみのペンギン。彼らは毎日たくさんのご飯を食べますが、IBSのようなお腹の不調とは無縁の生活を送っているかもしれません。それはなぜか。その秘密は、彼らの「主食」にあります。
ペンギンの主食は魚やオキアミ。つまり「タンパク質」と「脂質」がメインで、植物由来の「糖質(炭水化物)」をほとんど口にしません。実はこの食生活、いま消化器内科で注目されている、お腹に優しい食事法「低FODMAP(フォドマップ)食」になります。


<現代人を悩ませる「IBS」と「高FODMAP食」とは>
IBSの原因としては精神的ストレスや自律神経の乱れ、あるいは腸内環境の変化など様々なものが考えられています。IBSの患者の腸は、特定の糖質に対して非常にデリケートに反応してしまうことが分かっています。その原因となる糖質の総称が「FODMAP」です。
【FODMAPとは?】 大腸で発酵しやすい4つの糖質(Fermentable:発酵性の、Oligosaccharides:オリゴ糖、Disaccharides:二糖類、Monosaccharides:単糖類、And Polyols:ポリオール)の頭文字をとったものです。
主な高FODMAP食品: 小麦、タマネギ、牛乳、ヨーグルト、リンゴ、スイカ、もも、蜂蜜、豆類、納豆、小豆、絹ごし豆腐、加工肉、人工甘味料などです。


<なぜFODMAPでお腹が痛くなるのか?
ペンギンが食べる魚にはこれらが含まれませんが、人間の一般的な食事にはFODMAPが溢れています。IBSの患者様がこれらを摂取すると、以下のような「不調の連鎖」が起こります。
・小腸での吸収不全と水分流入(浸透圧効果) FODMAP糖質は小腸で吸収されにくいため、腸管内の浸透圧が上昇します。すると、薄めようとして腸管内に大量の水分が引き込まれ、これが下痢の原因になります。
大腸での急速な発酵とガス発生 吸収されずに大腸へ届いたFODMAPは、腸内細菌のエサとなり、発酵してガスを発生させます。これによって腸がパンパンに膨れ上がります。
内臓知覚過敏(お腹の痛み) IBSの患者様は腸の神経が過敏(内臓知覚過敏)になっているため、このガスによる腸の引き伸ばしや水分の動きを「激しい痛み」や「不快な張り感(腹部膨満感)」として敏感に感じ取ってしまうのです。


<ペンギンに学ぶ、腸を休める食事>
「お腹に良い」と思って食べているヨーグルトや納豆、フルーツなどが、IBSの患者様にとっては逆に高FODMAP食となり、お腹の症状を悪化させているケースが少なくありません。
そこで有効なのが、ペンギンの食事のようにFODMAPを一定期間制限する「低FODMAP食(食事療法)」です。
腸の水分バランスを整え、異常なガス発生を抑えることで、症状が改善してくることがあります。
「慢性的に下痢や便秘を繰り返している」「お腹が張って苦しい」というのは、デリケートなあなたの腸が発しているSOSかもしれません。
私たちはペンギンのように魚だけを食べて生きるわけにはいきませんが、IBSのような症状がある方はぜひ一度、あなたの大切なお腹の健康について私たち専門医にご相談ください。

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